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【ExcelVBA】個人用マクロブックを複数ファイル使用するとどうなるの?

 Excelの立ち上げと同時に読み込まれる便利な個人用マクロブック。このマクロブックは、ファイル名が「PERSONAL.XLSB」と決められており、1ファイルのみ存在できると聞いたことがある方が多いかと思います。では2つ以上配置したらどうなるのか、検証してみようと思います。

1. 検証条件

 こちらの表は、どのように個人用マクロブックを配置するのかを示しています。PERSONAL.XLSBは通常の個人用マクロブックです。PERSONAL.XLSBは個人用マクロブックを作成後に名前を変更したものです。

# PERSONAL.XLSB PERSONAL2.XLSB
1 配置 -
2 - 配置
3 配置 配置

画像付きで確認したい方は、 こちらを展開してください

3. 検証結果

 さて検証結果です。結論からすると、先ほどの表の2,3ともに、ファイル名の異なるブック(PERSONAL.XLSB)が存在すると、 自動でマクロが読み込まれるが、新規ブックが自動で開かないという挙動をとりました。

3-1. Excel起動時(新しいブック)

 Excelを何も開いていない状態で、Excelを起動してみました。その結果ファイル名の異なるブックが存在する場合、ワークシートは表示されませんでした。代わりに新規から新しいブックを表示できました。

通常の個人用マクロブックのみ存在 ファイル名の異なるブック存在時
Excel起動 f:id:TenTon:20210320111654p:plain f:id:TenTon:20210320111748p:plain

3-2. Excel起動時(保存済みブック)

 過去に保存したことのあるExcelファイルを起動した場合の挙動も確かめてみました。これはどちらも変わらず、保存済みブックのみが開きました。

3-3. マクロの読み込み・実行

 VBE(Visual Basic Editor)を確認すると、どちらも読み込まれています。またマクロも実行できました。そのほか通常のExcelの機能など問題はありませんでした。

f:id:TenTon:20210320120122p:plain

4. まとめ

 今回は個人用マクロブック(XLSBファイル)が複数存在する場合、どのような挙動をとるのか確認しました。結論としてはファイル起動時に挙動は変わるが、マクロ実行も含め問題なく使用できるということが分かりました。  例えば、他者からもらった個人用マクロブックを一時的に使用したいのであれば、名前を変更して格納すればよさそうですね。  次回は、なぜこのような挙動になったのかということを書いていきます。ご興味のある方はまた読んでください。